翼状片白内障紫外線角膜炎とは、強い紫外線を眼に浴びたときに、角膜(くろめ)の上皮が傷ついて炎症が起きる病気です。結膜の充血、涙目、時に激しい眼痛などの症状を生じます。ほとんどの場合は1日か2日で自然に治ります。雪山などで、紫外線が雪に反射して通常より多くの紫外線を浴び、目を痛めることがあります。これは「雪目」と呼ばれる紫外線角膜炎の一種です。電気溶接の際にも注意が必要です(電気性眼炎と呼ばれます)。・翼状片(よくじょうへん)翼状片とは、角膜の中央部に向かって結膜(しろめ)が三角状に侵入してくる病気です。たいていは鼻側から侵入してきますが、まれに耳側から侵入することもあります。原因は、紫外線を含めた外的刺激によると考えられています。自覚症状には、充血と異物感があり、ある程度の大きさになれば鏡で自分の目を見て確認することができます。翼状片は悪性ではないので、小さいものならば放置しても大丈夫ですが、角膜の中央付近まで侵入すると乱視を引き起こし視力に影響を与え、中央部に達すれば視力低下が進行します。充血や異物感などの症状だけなら点眼薬で軽減しますが、症状が進行する場合は手術での切除が必要になります。・白内障眼の中には、水分とたんぱく質で構成された水晶体と呼ばれるところがあります。水晶体は、カメラで例えるとレンズにあたり、眼に入った光を通し網膜面にピントを合わせます。白内障とは、その水晶体が何らかの原因で濁ってしまう病気です。ごく初期のうちはほとんど自覚症状はないですが、次第にまぶしさを感じたり、視力が低下したりします。進行すれば眼鏡をかけても矯正できないほど視力が低下します。白内障は、通常10~20年以上かけゆっくりとしたペースで進行します。多くの場合は、同じような時期に両眼に発症しますが、進行に大きく左右差がでる場合もあります。白内障の原因で一番多いものは「加齢」によるもので、加齢が進めば必ず白内障が生じます。他にも、外傷(眼の打撲、刺し傷)や病気(網膜剥離、糖尿病、アトピーなど)、薬の副作用(ステロイド)、喫煙、放射線などが白内障の原因となります。どれほどの影響があるか確実にはわかっていませんが、白内障の原因として紫外線も考えられています。ほとんどの紫外線は角膜で吸収されますが、水晶体にも一部到達します。水晶体も紫外線を吸収し網膜を守っていますが、紫外線を浴び続けた場合、たんぱく質が変化して白内障になるといわれています。一度水晶体が濁ると治すことができません。点眼薬や内服薬で水晶体が濁るスピードを遅らせる治療法はありますが、元の状態に戻し視力を回復する効果はありません。白内障の症状が進行した場合は、濁った水晶体を取り除き、人工レンズを眼の中に挿入する手術を行います。最近の白内障手術は医療技術の進歩により、安全性が高く、体への負担も少なくなっています。78紫外線が原因の病気-紫外線角膜炎紫外線に原因があると考えられている目の病気
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