梅雨時期や夏場に多く発生する「マツエクの白化現象」のおさらい~その原因と回避方法を探る~
2024年5月24日
間もなくやってくる「梅雨時期」「夏場」に多く発生する「白化現象」対策として、その原因と回避方法を解説していきたいと思います。
施術者の皆様は、この「白化現象」について既にご周知のことと存じますが、おさらいとして改めて情報をご確認いただく事により、再認識と対策のお役立てになれば幸いです。
目次
マツエクの白化現象について
白化現象とは?
まつげエクステ用グルーが増粘硬化していく際に生成されるごく微量の揮発物質は主にシアノアクリレート(シアノアクリレートモノマー/ポリマー)そのもので、まつげエクステの装着表面に付着すると、白化現象として肉眼でも確認できることがあります。
白化の出現頻度は、グルーの特性によって違いはありますが、特に梅雨や夏場の湿度が高い時期に多く見られます。
また、前処理が不十分・不衛生な人工毛の使用や施術直後に洗顔や入浴等をした場合にも多く見られる現象です。
白化現象を実験して確認
この実験は、プレート上にグルーを適量出し、それを透明の蓋付き容器(シャーレなど)の中に入れて密閉して行ないます。密閉する前に容器の蓋部分とプレートの一部に指紋をつけておき 、その指紋部分に浮かび上がる白化状態を確認します。
※たんぱく質を含む指紋部分に白化現象が生じているのがわかります。
たくさんある白化の原因
【白化する原因と考えられること】
(松風の調査データに基づきます)
- 顧客の汗・涙
正しいテープワークがされておらず、顧客の目が明いている(薄目)状態となり、グルーの刺激またドライアイなどにより涙が出てしまった。
- 不衛生な人口毛の使用
人口毛を手で触ったり保管状態が悪い。
- 前処理不足
まつげに付着しているメイク脂質汚れ・リムーバー・クレンジングがしっかり除去できていない。
- 乾燥不足
前処理後・施術後の乾燥が足りていない。
- グルー塗布量が多すぎる
装着時のグルーの塗布量が多すぎる。
- 施術直後の入浴・洗顔
グルーが完全硬化前に、入浴や洗顔などにより水分に触れた。
- まつげに触れる
前処理後にまつげを指で触った。
白化を防ぐための対策
- 顧客の汗・涙
正しいテープワークを施し、顧客の汗や涙はしっかり拭き取る。
- 清潔な人口毛を使用
指で触れた人口毛は使用しない。
人口毛はホコリなどが付着しないようフタのある専用ケースで保管する。
- 適切な前処理
まつげに付着しているメイク脂質汚れ・リムーバー・クレンジングをしっかり除去する。
- 乾燥
前処理後・施術後はしっかり乾燥させる。
- 適切なグルー塗布量
グルーは適量を塗布する。
グルーの粘性やセットタイム等の特性を把握し、適切に使用する。
- 施術後の入浴・洗顔
グルーの完全硬化前の入浴や洗顔などを控える。
- まつげに触れない
前処理後にまつげを指で触らない。
触ってしまった場合は再度前処理を行う。
白化現象が生じた際の対策
- 付け直しをする。
- まつげエクステ専用コーティング等を塗布する(一時的な対応として)
※白くなった部分をこすって落としてはいけません。白化物質が目に入る危険があります。
※市販の家庭用接着剤向け白化防止用のプライマーなどは用途が違いますので絶対に使ってはいけません。
まとめ
白化現象は、過剰な水分や脂質汚れの影響がグルーの急速な硬化反応を促すなど、理想的な硬化条件に問題が生じた際に起こりやすい現象で、持続力の低下やかゆみの原因になることがあります。
特に、梅雨や夏場に発生しやすい現象であるため、その時期の湿度コントロールに注意が必要です。
今回解説した「白化現象」も含む、「まつげお役立ち資料」も是非チェックしてみてください!