まつげエクステに纏わる目の病気 -ドライアイ編-
2011年4月23日
今回は、まつげエクステに関係する目の病気について紹介します。病名は
「ドライアイ」です。ドライアイは、まつげエクステをしたいと考えているお客様と、つけてあげたいと考える技術者を常に悩ませる目の病気のひとつです。
ダウンロード資料URL : https://www.eyecosme.jp/pdf/disease_02.pdf
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▼まつげエクステ技術者なら知っておきたい目の病気 -ドライアイ編-
Q:施術前のカウンセリング時に「私、ドライアイなんです」と言われたとき、あなたならどうしますか?
A:まずはお客様に考えられるリスクをお伝えし、その時点で治療中なら、お医者様にご相談いただいてから再度ご来店いただくようお願いする。そして、治療が終わり「まつげエクステをする」ということになれば、いつも通りの説明も普段よりも十分な時間をかけ、特に重要な部分を強調してお伝えすべきです。
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■施術前のカウンセリング時の説明内容-特に重要な部分-
① グルーが完全に固まるまで、エクステ装着後5時間くらいはクレンジングや洗顔、入浴もしないようにしていただきましょう。(グルーの種類、温度・湿度により時間は若干異なります)
② ごく稀なことですが、まつげを【強くこすること】で固まったグルーが眼球を傷つけてしまうことがあります。お客様にまつげエクステを楽しんでいただくには、特にご注意いただきたいことです。眼球は異物が入ったりすると傷つくことがあります。ドライアイの方の場合は、健康な目の方と比べて傷がつきやすいという情報もありますので、目をこすってまつげエクステが眼球に触れることのないようにご注意いただくよう説明しましょう。
③ オイルクレンジングの使用は避けてください。グルーが白化する原因となることもありますし、持続力低下の原因になると考えられる製品が多いです。オイルクレンジングは、浸透力の高いものが多いと考えられ、グルーの内面の乾燥の妨げとなることもありますので、お客様には専用のクレンジングや洗顔フォームをおすすめしましょう。
④ 夜に施術するお客様には特に重要な部分を強調してお伝えすべきです。エクステ装着後1時間・2時間で洗顔、クレンジング、入浴等を行うと、グルーの種類や塗布量によってその時間内に確実に固まるとは言い切れません。たとえ普段からトラブルがないとしても、それがトラブルの原因となる可能性が高いと考えておくのがプロの技術者です。
■-トラブルの回避-常に考えておくべきことは?
ドライアイの自覚症状が無いことで、治療には行ってない「隠れドライアイ」が、お客様の中にも多数おられると考えられます。普段からカウンセリングの際に「目はこすらない」ということをお客様にしっかりご説明しましょう。
ダウンロード資料URL : https://www.eyecosme.jp/pdf/disease_02.pdf
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▼ドライアイとは? ここからは「ドライアイ」について眼科専門医にお話を伺います。
そもそもドライアイとは、涙の質や量が低下することで、目の表面の健康が保てなくなる異常な状態のことです。異常になると、目の表面を潤す力が低くなり、目の表面が乾燥して傷つきやすい状態になります。ドライアイは、目の表面に傷がつき角膜炎や結膜炎を引き起こします。症状が軽く自然に放置しておいてよい場合もありますが、症状が強い場合には治療が必要になります。
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■涙について
涙には、大きく分けて2種類あります。1つは悲しいなどの感情によるものや、ゴミが入るなどの刺激によって出てくる「反射性分泌」と呼ばれる涙。もう1つは、少量で絶え間なく分泌して目の表面を潤している「基礎分泌」とよばれる涙です。この「基礎分泌」の涙には、目の乾燥を防ぎ、角膜などに栄養や酸素を運ぶなど、目を保護するための様々な機能があります。目は、健康を保つために、常に涙で潤っているのが正常なのです。
■ドライアイの症状
目の表面が乾燥すると、角膜(黒目)や結膜(白目)に炎症が生じやすくなり、人によって様々な症状が現れます。
・目が乾く・目が疲れる・目に不快感がある・目が重い・目がしょぼしょぼする
・まぶしい・目が痛い・かすむ・白っぽいめやにが出る・目がゴロゴロする
・充血・目がかゆい・目が熱い・物が見辛い・涙が出る
上記のように、多様で慢性的な目の不快感を生じます。また、ドライアイの人は複数の症状を持つ事が多いです。
■ドライアイの原因
・まばたきの減少・・・パソコンやテレビゲーム、携帯などのモニターを見続けることや、車の運転など、細かい作業や、緊張が続く作業は、まばたきが少なくなってしまいドライアイをひき起こしやすくなります。目は、まばたきをすることで、新しい涙を分泌することができ、同時に古い涙を排出しています。まばたきをしないと、涙を分泌できず、目が空気に長い時間さらされ、乾きやすくなります。
・空気の乾燥・・・冬の乾燥した季節や、室内の冷暖房などの空調により、空気が乾燥することで、涙は蒸発しやすくなります。
・コンタクトレンズの使用・・・コンタクトレンズは、角膜に直接乗っているのではなく、涙を利用して、角膜に浮かんでいます。この状態であれば、涙はうまく流れ、目の細胞に必要な栄養を運ぶことができます。しかし、目の乾きやすい人の場合は、涙が薄いため、角膜にうまく浮かばず、目の表面を傷つけてしまいます。さらに、角膜をぴったりと覆った状態になり、涙の流れが妨げられます。目が健康な人でも、手入れの悪いコンタクトレンズを装着すると角膜炎や結膜炎を引き起こし、眼表面での涙の滞留が不安定になりドライアイになる可能性があります。また、コンタクトレンズの長時間の使用は、目の感覚が鈍くなり、涙の分泌を減らします。
・ストレス、緊張によるもの・・・緊張すると、くちびるや口の中が乾くように、目も乾きやすくなります。ストレスや、緊張を感じると、交感神経と呼ばれる自律神経の1つが活発になり、涙の分泌が減少するからです。逆に、リラックスしているときは、副交感神経と呼ばれる自律神経が優位になり、涙の分泌量が増えます。
・夜型の生活・・・人間の生理機能は、昼間に活発になるように作られています。目も例外ではなく、夜は昼間に比べ「基礎分泌」の涙が自然に減少します。さらに、夜は電気の光で物を見るため目が疲れやすくなります。夜更かしは、目に負担がかかる環境なのです。
・マイボーム腺の障害によるもの
涙液は水分と油分から構成されており、油分は主にマイボーム腺という瞼の内側にある分泌腺から出ています。まぶたの炎症や目の周りの過剰な化粧でマイボーム腺の出口がふさがれると、油分が十分に分泌されなくなり、涙の質が悪くなりドライアイになります。
・加齢によるもの・・・老化現象により、涙を作る涙腺と呼ばれる部分の機能が低下し、涙の分泌量が減ります。また、まぶたや結膜のたるみによって、涙の排出も悪くなってきます。涙の外側にある油層も年齢と共に減っていき、蒸発しやすくなります。お年寄りの方は、涙の量が減少し、蒸発も早くなることから、ドライアイになりやすいと言えます。
この他にも原因は複数ありますが、コンタクトレンズの使用はドライアイの症状を悪化させることが多いので要注意です。
また、ドライアイ症状が強い人の中にはシェーグレン症候群という全身疾患がかくれている場合もありますので、異常があればなるべく早く眼科の診察を受けましょう。
■ドライアイの治療
・ドライアイ用の目薬を点眼する。
人工涙液と呼ばれるドライアイ用の目薬を点眼して、目の潤いを保ちます。眼薬に含まれている防腐剤が、角膜に悪い影響を与える場合があるので、防腐剤の含まれていないタイプの点眼薬を使用することが大事です。
軽いドライアイであればこの点眼薬だけで改善します。この他、症状に応じた治療法があります。素人の判断で目薬を常用していると逆効果になることもありますので、眼科に相談するようにして下さい。
■予防と対策
・日常の生活で「意識的にまばたきをすること」を心がけましょう。まばたきをすることで目に新しい涙が供給され、目が保護されます。
・コンタクトレンズを装用しているときや、ドライアイのような症状を感じるときは、予防的に人工涙液の点眼薬を使用するのも効果的です。
・パソコンなどのモニターに、照明などの光を反射させないようにしましょう。
モニターに光が映り込むと、画面が見えづらくなり、じっと凝視する状態になるので、まばたきが減少します。文字が小さい場合も同様です。
・上を見ると自然にまぶたが大きく開き、それだけ涙の蒸発が早くなります。パソコンなどの画面は、目の位置よりも少し下方に置きましょう。
・照明とモニターの明るさを適度に調整しましょう。
室内の照明とモニターの明るさが極端に違う場合、目にストレスを与えて、目が疲れやすくなります。
・パソコン、車の運転、編み物など、細かな作業は、目に負担をかけます。定期的に目を休めるようにしましょう。だいたい、1時間に10分間が目安とされます。その際に、目を閉じてマッサージをすると効果的です。
・ドライヤーやエアコンの風が直接顔にあたると、目はすぐ乾燥してしまいますので、風向きには注意しましょう。また、送風口の近くでの作業はやめましょう。
部屋が乾燥している場合は、加湿器などで加湿しましょう。蒸しタオルなどで目を温めて休ませる(保湿効果もある)のも有効です。
・コンタクトレンズを使用していて、目がゴロゴロする、充血する、痛い、などの症状が出た場合は、ドライアイの可能性があります。できるならコンタクトレンズの装着は止めた方が良いでしょう。それでも使用したい方は、十分な注意とケアが必要ですので、眼科に相談して下さい。
ダウンロード資料URL : https://www.eyecosme.jp/pdf/disease_02.pdf
(病気説明監修:眼科専門医 医学博士 廣辻徳彦先生)